ブログ|株式会社小倉工務店

オフィシャルブログ

第20回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

~“売れる/働ける”をつくる~

商空間の価値は、ブランディング×回遊性×耐久×運用で決まります。
既製什器では届かない“あと一手”を、オーダー什器・造作でどう実現するか。設計→製作→施工→保全までを実務目線で解説します。


1|ブランドを“触覚”に翻訳する 🎨

  • 素材言語:素朴=ラワン・リネン/上質=ウォルナット・真鍮/クリーン=白メラミン・ステン

  • 光の文法:2700Kで温かい滞在、3500–4000Kで知的な集中。**CRI90↑**で商品色を忠実に。

  • 触れる頻度>見た目:カウンター天板や取っ手は耐傷・耐指紋優先。🖐️


2|動線×売場心理:回遊と滞在をデザイン 🧭🛍️

  • 第一接触:入口3mは“つかみ”ゾーン。視線の抜けストッパー什器で足を止める。

  • 滞在の理由試しやすい高さ(900〜1000mm)手荷物置きミラー

  • 会計のフリクションゼロ配線床内蔵端末ドック在庫引当トレイ

  • サイン:什器と一体化、交換容易な差し替え式が運用に効く。


3|耐久・法規・音の設計 🛡️🎧

  • 表面材:HPL・化粧板・セラミックで擦り傷・水・清掃薬に強く。

  • 防火・法規:内装制限、避難、手すり高さ等は初回設計で織込む

  • 音環境:天井吸音バッフル/壁パンチング+吸音材/家具のフェルト残響を0.6–1.0sにチューニング。

👂 電話・WEB会議が多いオフィスは、ブース什器+扉気密+換気まで一体設計。


4|デジタル連携:BIM/CAM/QRで“迷わない現場”へ 📱🛠️

  • BIM/3Dで干渉ゼロ→製作図へ直結。

  • CNC加工・レーザーR・ジョイント精度を担保。

  • QR台帳:什器ごとに材・色番・金物・清掃方法を紐付け、保全が1分で完了

  • AR/VR視線・高さ・照度を設計段階から検証。


5|夜間施工・短工期の段取り ⏱️🌙

  • プレユニット化(現場は据付+接合のみ)

  • 搬入シミュ:EV寸法・曲がり半径・養生計画。

  • 臭気ゼロ運用:水性塗料・低VOC接着・現場塗装最小化。

  • 騒音配慮:静音工具・バッテリー機器・搬入/切断は外部で。


6|コスト設計は“長く使う”が得 💴

  • 初期費は上がっても、部品交換可能・表面再生可能な仕様はLCCが下がる

  • 可動棚・パーツ規格化改装時の再利用率を上げる♻️

  • 見積の比較軸:板厚・表面材グレード・金物銘柄・現場経費の含み保証内容


7|メンテ計画までがデザイン 🔁

  • 清掃ルート:角をRに、巾木一体でホコリ溜まりゼロへ。

  • 点検口:電源・給排水・AVは見えない場所に1アクションでアクセス。

  • 消耗部品:ゴム脚・丁番・レールは品番共有で即時交換。


8|ケース:ベーカリー&カフェの刷新 🍞☕

  • 課題:朝の混雑、ショーケースの曇り、会計滞留。

  • 動線分離(テイクアウト/イートイン)、LED間接で曇り抑制キャッシュドロワ内蔵カウンター

  • 成果回転率+18%、客単価アップ、掃除時間▲30%。写真映えでSNS露出増📈


9|オフィスのABW什器パッケージ 💼

  • 集中:吸音ブース×可動天板

  • 協働:キャスター付き島什器×マグネットボード

  • 再集中:半個室ベンチ×USB/AC×読書灯
    シーン切替ができると稼働席数の最適化が進み、オフィスの“密と閑”を平準化。


10|発注前チェックリスト✅

[ ] レイアウトと回遊動線に“詰まり”がない
[ ] 防火・避難・電気・給排水の前提を合意
[ ] 素材サンプル拭き取りテスト
[ ] 製作図・金物リスト配線詳細の確認
[ ] 夜間施工・臭気・騒音の配慮計画
[ ] QR台帳・保証の範囲明記


まとめ 🌟

商空間のオーダーメイドは、ブランド体験×運用しやすさ×長寿命の掛け算。
BIM→CAM→QR台帳まで一気通貫で、短工期・高品質・クレームゼロを実現します。
次の改装は“夜に運び、朝に稼ぐ”。まずは現場採寸と動線の簡易診断からどうぞ。📞📐💼

 

 

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第19回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

~“暮らしを設計する”~

既製品ではあと3cmが合わない。見た目は好きだけど配線がごちゃつく。掃除のたびにホコリが溜まる段差にイライラ——。
そんな“暮らしのノイズ”を消すのが、オーダーメイドインテリアの役割です。ここでは設計→製作→施工→アフターまで、住まいで失敗しないための勘所をまとめます。✨


1|はじめに決めるのは“モノ”ではなく“使い方” 🎯

  • だれが・いつ・どこで使う?(例:在宅ワーク、子どもの勉強、来客時の片付け)

  • 何を収める?(ファイルA4/背表紙、炊飯器の蒸気、AV機器の熱)

  • 掃除動線(ルンバの巣・モップの通り道・巾木の形)🧼

  • 将来の変化(家族構成、趣味、家電の更新)

👉 この“生活ブリーフ”が寸法・素材・金物・配線を決める指針になります。


2|素材の選び方:見た目×耐久×メンテの三角形 🧪🌳

  • 無垢材(オーク・ウォルナット等)
     ・表情◎・経年変化を楽しむ。オイル仕上げでメンテ容易。

  • 突板(ツキ板)
     ・軽量&均一。ウレタンで汚れに強く、コストと質感のバランスが良い。

  • メラミン/HPL・FENIX
     ・傷・汚れ・水・熱に◎。キッチン・水回り天板に最適。

  • 金属(スチール・真鍮)/ガラス/セラミック
     ・ポイント使いで“締まる”。耐熱・耐摩耗を足して機能美に。

🌿空気質も大切:低VOC接着剤、**F★★★★**相当の基材、FSC森認証材の選択で“健康×地球”両立。


3|“使いやすさ”はミリ単位で生まれる 📏

  • カウンター高:キッチン 850〜900mm/デスク 700〜730mm

  • 引き出し内寸:カトラリー60mm、書類110mm、鍋・家電180〜260mm

  • 可動棚ピッチ:32mm刻みで季節家電の高さに対応

  • 手掛け・取っ手:見た目+指の入り拭き掃除のしやすさ

  • 耐震・転倒防止:壁下地補強+L金物、扉は耐震ラッチで安心 🛡️

🧲 配線の静けさ:背板にスリットとOAタップ棚ケーブルグロメットで“見えない整線”。AV・Wi-Fi・充電の熱抜き孔を忘れずに。


4|設計〜製作の流れ🗺️

  1. ヒアリング:生活ブリーフ・収納物の採寸・動線確認

  2. ラフ提案:スケッチ+素材ボード+概算

  3. 実測(レーザー)→製作図(干渉・下地)→最終見積

  4. モックアップ(必要に応じて段ボールorCNC合板)で高さ・奥行を体感

  5. 工場製作(NC加工・手仕上げ)→仮組検査📸

  6. 現場施工(養生→据付→調整)→完了検査

  7. 取扱説明保証書お渡し

⏱️ 小規模1~2点:3〜6週間目安/キッチン等:6〜10週間目安(素材・混雑で変動)。


5|金物とディテールで“静かに長持ち” 🧩

  • ソフトクローズ蝶番・レール:開閉音と衝撃を低減。

  • スライドレール耐荷重:フルオープン35kg/45kgを用途で使い分け。

  • 面取り・小口0.5〜1mmが手触りと安全の境界。

  • 目地:1.5〜2mmで呼吸と誤差吸収。扉見付の通りが印象を決める。

  • 照明:**間接LED(2700–3500K・CRI90↑)**で影をデザイン💡


6|キッチン/洗面の“水と熱”対策 💧🔥

  • HPL/セラミック天板耐水合板、シンク周りは防水下地

  • 蒸気家電引き出しスライド台+蒸気逃し

  • 排水・給水の点検口見えない位置に組み込む

  • 防カビ通気:背板を浮かせる/スリットを設ける


7|お手入れミニガイド🧽

  • 普段は中性洗剤+柔らかい布でOK。

  • 無垢はオイルの追い塗りで艶と撥水回復。

  • メラミンはメラミンスポンジ不可のものも——仕様書を確認。

  • 真鍮は経年のくすみを味として育てる or 専用研磨で輝きを維持。


8|“見積の見方”3ポイント 💴🔍

  1. 材料と金物の銘柄・グレード

  2. 塗装/仕上げの方式(オイル・ウレタン・セラミック等)

  3. 現場調整・配線・下地補強の範囲(別途が隠れていないか)

📸 写真台帳(工場仮組・取り付け前後)がある会社は、再現性と責任が高い傾向。


9|事例スナップ 📚✨

LDKの壁一面収納を製作。ルンバ基地+AV熱抜き+隠し作業机を内蔵。
HPL×オーク突板で耐久と質感を両立。配線ゼロ見え掃除5分の暮らしに。🧡


まとめ 🌟

“暮らしのノイズ”を1ミリ単位で消す。
オーダーメイドは高価な贅沢ではなく、毎日のストレスを減らす投資です。
ヒアリング→実測→製作図→モック→台帳納品までワンストップで伴走します。まずは収納物の採寸から一緒に始めましょう。📏📩

 

 

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第18回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

~経済的役割~

 

造作工事とは、柱や梁といった構造体に対して、内装の壁・天井・床・建具・収納・カウンターなどを取り付け、空間に機能と美しさを与える仕上げ工事の一種です。一見するとデザインや装飾の領域に見えますが、実際にはその経済的インパクトは大きく、建築産業の中核を担い、地域経済・職人育成・資産価値形成にまで及ぶ重要な役割を持っています。

造作工事の“経済的役割”に焦点を当て、建築産業と地域社会にどのような価値をもたらしているのかを深掘りしていきます。


1. 建築資産の価値を高める“仕上げ投資”

造作工事は建物の見た目だけでなく、機能性・快適性・居住性を左右する最終工程です。丁寧に仕上げられた造作は、建物の価値そのものを高め、結果として市場価値や賃料収益を上昇させる要因となります。

  • 高品質な造作=建物のブランド力・印象力・付加価値の向上

  • 分譲住宅や賃貸マンションにおける販売価格・入居率の向上

  • 店舗・オフィスにおいては集客力や従業員満足度に直結

つまり、造作工事は「コスト」ではなく、投資対効果の高い建築経済のエンジンであり、適切に計画された造作は建物の寿命と収益性の向上につながるのです。


2. 地場産業・職人文化への経済的循環

造作工事は、地元の大工職人、家具製作所、建具業者、材木店などとの連携によって成立するため、地域経済との結びつきが非常に強い分野です。

  • 地場企業による木工・建具加工が、地域内での資金循環を生む

  • 若手職人の雇用・育成を通じて、地域雇用を創出

  • 木材や建材の地産地消が進めば、地域の林業や製造業の活性化にも貢献

また、古民家再生や公共施設の内装工事においても、地元の造作技術が評価される機会が増えており、造作工事は地域文化の継承と経済活動を同時に支えるインフラ的存在になりつつあります。


3. 建築業界の付加価値を生み出す下支え

建築業界において、構造・基礎といった「見えない部分」が最も重要とされる一方で、最も“顧客に触れる部分”を担うのが造作工事です。これは建築の“体験価値”を生み出す役割でもあり、業界における経済価値創出の核とも言えます。

  • 注文住宅やリノベーション市場では、造作の個性が契約決定要因になる

  • 設計士やインテリアデザイナーとのコラボによる空間価値の創造

  • デザイン性が評価されれば、口コミ・SNS拡散による宣伝効果も期待できる

このように、造作工事は建築業界のサービス産業化に寄与し、価格競争から価値競争への転換を促す経済的推進力となっています。


4. リフォーム・リノベーション市場を支える主力工種

既存建物の活用が進む現代において、リフォームやリノベーションは市場規模を拡大しており、その中心にあるのが造作工事です。

  • 間取り変更や収納改修など、造作なしでは実現できない改修内容が多数

  • 内装の更新により、資産価値の再評価や入居者ニーズへの対応が可能

  • 空き家活用や古民家再生にも、造作技術が欠かせない

このように、造作工事はリフォーム市場の成長を実質的に牽引する工種であり、住宅流通・中古市場活性化といった経済再生の鍵を握る分野でもあるのです。


5. 新産業との連携による経済活性化

造作工事は、他産業とのコラボレーションによって新たな経済価値を生み出す可能性も広がっています。

  • 地元木材×造作家具=地域ブランド創出

  • 建築×アート=空間演出としての造作芸術化

  • ICT×造作=3D設計・BIMとの連動による生産性向上

これらの取り組みによって、造作工事は単なる仕上げ作業にとどまらず、デザイン、観光、テクノロジーなど他分野と連動した地域経済のハブとなる可能性を秘めています。


造作工事は“空間を仕上げる”だけでなく、“経済を動かす”

造作工事は、目に見える形で人々の生活空間を整えると同時に、以下のような多面的な経済的役割を果たしています

  • 建物価値の向上による資産形成と収益性の支援

  • 地場産業との連携による地域内経済の循環

  • 建築業界全体の付加価値創出と差別化競争の後押し

  • リフォーム・再生市場の実務的支柱としての貢献

  • 異業種連携による地域ブランドや新ビジネスの創出

これからの建築産業において、造作工事は“最後の仕上げ”ではなく、“経済と文化をつなぐ起点”としての存在感を増していくでしょう。

 

 

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第17回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

~多様化~

 

造作工事とは、柱や梁などの構造体に対し、壁・天井・床・建具・収納・カウンターなどを仕上げていく「内装の骨組み」ともいえる工種です。空間の機能性と意匠性の両方に直結するため、住まいや店舗、オフィスなどあらゆる建築物で重要な工程となっています。

近年では、社会のニーズやライフスタイルの変化、建築技術の進化により、造作工事のあり方にも大きな“多様化”が進んでいます。技術・素材・設計・施工体制・社会的価値といった観点から、造作工事の多様化を深く掘り下げていきます。


1. デザイン志向の多様化

かつての造作工事は「標準化された建具や棚の設置」が主流でしたが、現在では「オリジナル性」や「空間演出力」が重視され、空間ごとに異なる造作が求められる時代となっています。

  • モダン、北欧、和風、インダストリアルなどの多様なデザインテイストへの対応

  • 建築家やインテリアコーディネーターと連携した造作家具・壁面収納・下がり天井などの提案

  • 店舗やホテル、飲食店ではブランドコンセプトを反映した装飾性の高い造作演出

つまり、造作工事は“施工”という枠を超えて、空間ブランディングや暮らしの表現方法としての創造的工事へと進化しています。


2. 素材と工法の多様化

造作工事に使用される素材も、従来の木材・合板だけでなく、さまざまな新建材・異素材の登場により組み合わせや工法が多様化しています。

  • 無垢材・集成材・MDF・メラミン・化粧板・スチール・ガラス・アクリルなどの素材ミックス

  • 建材の軽量化や防火・防音・断熱性能に配慮した高機能素材の使用

  • ユニット化された造作建具現場と工場のハイブリッド施工による効率化

これにより、造作工事はますます高度な技術力と設計対応力が求められる分野になっています。


3. オーダーメイド志向と住環境ニーズの多様化

現代の住環境は、ライフスタイルの個人化や多世代同居、テレワーク普及などにより、造作の目的そのものが多様化しています。

  • ワークスペースやスタディコーナーなど新しい生活機能を空間に組み込む造作

  • バリアフリー対応、子育て支援設計、高齢者の動線配慮などのユニバーサル造作

  • オープン収納、壁面棚、ニッチなど空間を有効活用する造作家具・設備

このように、造作工事は単なる“内装の部品取り付け”ではなく、暮らしそのものを最適化するカスタマイズ技術へと進化しています。


4. 設計・施工連携体制の多様化

造作工事の内容が複雑化する一方で、それに対応する施工体制や設計連携も多様化しています。

  • 設計士・施工会社・工務店・家具製作会社が一体となったプロジェクト連携

  • 3D図面(BIM/CAD)を用いた事前調整・干渉確認によるミスの防止

  • DX化によりプレカット・プレファブ・工場組立→現場据付の割合が増加

これにより、従来の“現場で合わせる造作”から“事前に計画して組み立てる造作”へと、造作工事は生産工程としての進化を遂げつつあります。


5. サステナビリティ・社会貢献への対応

造作工事もまた、サステナブル建築の一部として社会的責任が求められる時代となっています。

  • FSC認証木材や低ホルムアルデヒド材料の使用による環境配慮

  • リユース材・古材・地産木材の活用による地域循環型の造作工事

  • ユニバーサルデザインや福祉住宅対応など、社会的ニーズへの寄与

これらの取り組みは、造作工事を単なる内装作業ではなく、「環境と共生する建築文化の一部」として捉える視点を育んでいます。


造作工事の多様化は、空間づくりの未来を切り拓く

造作工事の多様化は、以下のような形で建築業界や社会全体に影響を及ぼしています:

  • 住空間・商業空間におけるデザイン性・機能性の向上

  • 顧客の多様な暮らしに応えるオーダーメイド型施工の普及

  • 建材・工法・施工プロセスの革新による建設生産性の進化

  • 環境・福祉・地域社会に対する建築の社会的責任の実現

これからの造作工事は、空間を「仕上げる」だけでなく、「支え」「活かし」「彩る」多機能な分野として、ますますプロフェッショナル性が問われる未来志向の仕事となるでしょう。

 

 

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第16回造作工事雑学講座

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造作工事の未来とは?~技術・素材・人材が切り拓く空間づくりの進化~

今回は、造作工事の未来に目を向け、技術革新・材料の進化・人材の変化など、建築内装業界の変わりゆく最前線についてお話しします。


■ 造作工事の“未来予想図”

近年の建築業界では「サステナブル」「デジタル」「職人の高齢化」という3つのキーワードが、造作工事にも大きな変化をもたらしつつあります。


■ 技術面での進化:デジタルとクラフトの融合

① プレカット・プレファブ化の加速

  • 木材やパネルを工場で加工し、現場は組立中心に

  • 加工精度が高く、廃材や施工ミスを大幅に削減

  • 作業時間短縮と人手不足対策に有効

現場での“職人作業”が“技術管理・据付施工”に変わっていく流れです。


② BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用

  • 3D設計で事前に取り合い・納まりを確認

  • 材料発注の自動化・最適化

  • 職人もタブレットで施工内容をその場で確認

造作工事でも「図面を読む」から「データで現場を管理する」時代へと移行しつつあります。


■ 素材の進化:環境・機能・デザインの融合

  • 調湿機能付きの天然壁材

  • 耐火・不燃・抗ウイルス性能を備えたパネル材

  • 軽量・高強度のハニカム構造化粧材

  • SDGs認証を受けた内装仕上げ材

これからの造作工事では「素材を選ぶ力=現場の提案力」がより問われるようになります。


■ 人材の未来:多様性と分業の時代へ

● 若手育成にICTを活用

  • 動画マニュアル・VR研修でスキル取得

  • eラーニングで座学も効率化

  • デジタルネイティブ世代に合わせた教育体系

若手が「早く一人前になれる仕組み」を整える企業が増えています。


● 女性・外国人の登用も拡大中

  • 造作は力仕事よりも“手先の器用さ”や“美的感覚”が重要

  • 作業工程の分業・軽作業化で女性や外国人職人も増加中

多様な働き手が活躍できる現場へ、価値観も構造も変わりつつあります。


■ 造作工事の価値が“空間の品質”を左右する時代へ

機能性・デザイン性・快適性――
それらを総合的に担うのが、まさに「造作工事」です。

これからの時代、住宅やオフィス、商業施設では、

  • “インスタ映え”するような壁面演出

  • 目線や動線に配慮された建具レイアウト

  • 防音性・防臭性・抗菌性といったプラスαの快適性

こうした空間ニーズに応えられる“総合力”が造作職人に求められます。


■ まとめ:“つくる”から“提案する”へ進化するプロの時代

造作工事は、単なる内装の仕上げではありません。
空間の印象・性能・快適性を左右する、建築のラストピース。

これからの時代を生きる造作職人は、技術者であり、提案者であり、そしてデザイナーでもあるのです。

“仕上げ”のプロから、“空間づくりのエンジニア”へ――
その進化が、造作工事の未来を切り拓いていくのです。

次回もお楽しみに!

 

 

 

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造作工事と環境への配慮~“つくる美しさ”の裏にある責任とは~

 

 

今回は、建築現場のなかでも特に「仕上げ」や「見た目」に関わる大切な仕事である造作工事について、その環境への影響と配慮の現場に迫ってみたいと思います。


■ 造作工事とは?

造作工事とは、建物の構造部分が完成した後に行う内装の仕上げ・空間の使い勝手を高めるための施工全般を指します。

代表的な内容は以下のとおり:

  • 壁・天井の下地組み

  • 石膏ボード貼り

  • 建具や枠の取り付け

  • 棚、家具、巾木などの細部造作

  • 各種化粧パネル・仕上げ材の取り付け

いわば、「建築物に命を吹き込む」作業とも言える重要な工程です。


■ 造作工事の“環境への影響”とは?

見た目が整う造作工事ですが、資材の消費や施工時の廃棄物・接着剤の使用など、環境負荷が無視できない要素も多くあります。


① 材料使用による森林資源・資源消費

造作工事では、木材・合板・化粧板・MDF・プラスチックなど多様な材料が使われます。特に木製造作材の多くは**集成材やベニヤ合板(ラワン・シナなど)**で構成されており、伐採された森林資源に依存しています。

また、素材の輸送距離や加工エネルギーもCO₂排出源になります。


② 廃材・端材・梱包材などの“現場ゴミ”

  • カットしたあとの端材

  • 使い切れなかった石膏ボード

  • 養生資材やプラスチックカバー

  • 空になった接着剤容器や釘袋

一現場あたり数百kg〜トン単位での廃棄が出ることもあり、適切な分別・処理・リサイクルがされなければ環境負荷は大きくなります。


③ 接着剤・塗料からのVOC(揮発性有機化合物)

クロス貼りや木部仕上げ、パネル接着には強力な接着剤や化学塗料が使われることが多く、それらの揮発により**室内空気環境の悪化や健康被害のリスク(シックハウス症候群)**も指摘されています。


■ 現場で進む環境配慮の取り組み

● サステナブル建材の採用

  • FSC認証材(持続可能な森林から調達)

  • 再生木材・間伐材の活用

  • 国産材の地産地消によるCO₂削減

設計段階から「サステナブルな造作設計」が採用されるケースも増えており、職人の選定力も求められています。


● 材料ロスの抑制と端材の再利用

  • 現場での正確な採寸と無駄のないカット

  • 端材を収納棚や下地補強材に再利用

  • デジタル図面に基づいた加工前提の材料発注

これにより、廃材を“資源”として再利用する意識が現場で根づきつつあります。


● 低VOC製品・自然系接着剤の使用

  • 水性接着剤の使用

  • シックハウス対応製品(F☆☆☆☆基準)

  • 石油由来成分を含まない自然塗料の導入

作業者の健康にも配慮した取り組みであり、住む人・働く人の両方に優しい選択肢です。


■ まとめ:“美しくつくる”は、“地球にも美しい”であれ

造作工事は、美しい空間を演出する仕事ですが、その材料・方法・工夫ひとつで環境への配慮度が大きく変わります。

職人ひとりひとりが「持続可能な施工とは何か」を意識することが、建築業界の未来と、地球の未来を同時に守る第一歩になるのです。

次回もお楽しみに!

 

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第14回造作工事雑学講座

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さて今回は、

~チェック~

ということで、製造完了後に行うチェック作業目的意義、具体項目、現場工夫について掘り紹介ます。

 

 

オーダーメイドインテリアは、世界ひとつだけ空間創造する仕事です。そのためは「図面通りつくる」だけなく、「製品しく確認し、最高状態お客様届ける」こと不可欠です。


1. 製造チェックは?~納品の“品質保証工程”

製造チェックは、工場製品完成した後に行う寸法・仕上がり・強度・納品可否最終確認作業です。

これにより

  • 寸法違いによる現場まり不良

  • 仕上げ不良による外観クレーム

  • 部品不足機能不良による訪問工事

といったトラブル未然防ぐことできます。


2. なぜ製造チェック重要か?

1. 一点ものだから修正難しい

オーダーメイドは「製作=大幅損失」。出荷確認100%完成確保する必要あります。

2. 現場工事連携直結する

寸法ズレ部材不足現場戻り日程遅延招くため、チェック精度工事品質直結ます。

3. 顧客満足信頼構築関わる

納品直後問題あれば、「この会社信頼できない」われるリスク直結。チェックは“ブランド守る仕事”でもあります。


3. 製造後に確認すべチェック項目一覧

チェック項目 内容 注意
寸法確認 さ・幅・奥行・厚み 図面寸法と±1mm以内っているか
仕上げ状態 塗装・材・木口処理 傷・ムラ・がれ・手触り
強度安定性 接合緩み、つき ビスき・水平確認
可動動作 扉・引き出し・収納機構など 開閉スムーズか、鳴りない
付属確認 金物、説、ビス 納品時に「部品ない」われないため必須
現場まりシミュレーション 設置予定寸法一致いるか 搬入通路・天井干渉確認

4. よくある落としそのリスク

  • 落とし】裏面処理
    納品後に「見える配置た」クレーム

  • 落とし】開閉向き違い
    左右取付不可、現場再訪

  • 落とし】部材番号
    組立手順混乱、納品後に現場作業ストップ

こうしたトラブルは、製造自身最終チェック防げる問題です。


5. 品質守るチェック体制工夫

  • Wチェック体制(製造者+第三者)
    加工目線最終確認

  • チェックリスト運用徹底
    項目漏れぎ、報告記録残せる

  • 完成写真保存納品書連動
    顧客仕様確認する証拠として有効

  • 立会チェック制度(大型案件)
    設計担当・現場監督一緒確認することトラブルゼロ


つくってわり」ではなく「届ける責任」

オーダーメイドインテリア価値は、職人で“最後まで責任って完成させる”ことにあります。その最後工程が「製造チェック」あり、お客様信頼ないため技術姿勢です。

見届けるが、本物職人つくる。” それ現場ばれる秘訣です。

 

 

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第13回造作工事雑学講座

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さて今回は、

~デザイン図面~

ということで、オーダーメイドインテリア製造業者にとって図面書き出し役割、精度、信頼について掘り紹介ます。

 

オーダーメイドインテリアは、空間個性機能両立させる“一点ものの芸術”です。その製造現場では、デザイナー設計アイデアを、実際寸法・構造・素材で「現実落とし込む」ため書き出し作業=施工作成極めて重要です。


1. 書き出しか?~“デザイン”を“図面”翻訳する作業

書き出し」は、インテリアデザイン意匠に、製造・加工・組立必要寸法・構造・部材情報展開加工落とし込む作業です。

書き出し内容

  • 材料厚み・仕上げ種別

  • 加工寸法・取付穴・ビス位置

  • 強度考慮した内部構造補強

  • 設置現場まり・搬入経路

つまり、“設計”を“つくれる構造”変える橋渡し工程です。


2. 書き出し持つ3重要役割

1. 加工精度保証する

加工加工合わせ正確指示ば、設計通り製品完成しません。

2. 製作・現場混乱防ぐ

曖昧図面では「どこどの寸法切れよいか」「左右どちら向きか」といった混乱現場やすい

3. 顧客満足上げる

→ 「イメージた」「仕上がり粗い」などクレーム設計加工ズレ原因あること多い図面精度そのまま満足直結ます。


3. 書き出し図面確認すべ項目

項目 内容 チェックポイント
部材寸法 厚み・さ・奥行き 材料取り都合接合精度
加工指示 穴あけ位置、面取り、切欠 NC加工整合性
接合方法 ビス、ゾ、金物使用 強度組立両立
材料種別 木材、金属、アクリルなど 加工方法・仕上げ相性
まり 壁・床・設備関係 現場干渉・設置可能範囲確認

4. 書き出しミス招くトラブル

  • 部材寸法ミス → 現場製作、納期遅延

  • 加工誤記 → 切削ミス・強度不足・接合不能

  • 材料発注 → 素材違いによる見た目不一致・耐久性低下

  • まり不良 → 現場設備干渉、クレーム対応発生

これら全て、書き出し質」によって防げる問題です。


5. 書き出し作業求められる技術視点

  • 設計意図理解する読解
    → 「なぜこのか?」汲み取る

  • 加工現場知識
    CNC・パネルソー・ボーリングマシン機械特性理解した寸法出し

  • 現場まり感覚
    壁・床・天井ゆがみ想定した“逃げ寸”設計

  • 顧客視点仕上がり確認
    丸み、見た目さ、触感など“機能+意匠”両立


書き出し」インテリア製作の“設計現場架け橋”

オーダーメイドインテリア製造における図面書き出しは、単なる下請け作業ではなく、“設計意図かたち変える技術”そのものです。だからこそ、職人知恵図面精度融合した“図面力”が、空間完成決定ます。

図面強い製造業者”こそが、信頼れるオーダーメイドプロフェッショナルです。

 

 

 

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第12回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

さて今回は、

~設計~

ということで、造作工事における設計の目的・設計手法・注意点・設計者と施工者の連携ポイントまで、現場と図面の両面から深掘りしてご紹介♪

 

建築工事における「造作」とは、完成した構造体に対して内装を仕上げるための木工・建具・家具などの工事を指します。そして、その造作部分を設計段階でどう描くかは、空間全体の印象や使い勝手、美しさを大きく左右する非常に重要な要素です。


造作工事の設計とは?|その役割と範囲


造作工事における設計とは、空間の使用性や美観を形づくる“細部設計”のことです。
構造体や間取りといった「大きな設計」に対し、造作設計は「暮らしや使い方を形にする設計」です。

✅ 造作設計で扱う代表例

  • 建具枠(ドア・障子・引戸など)の詳細設計

  • カウンター、棚、造作収納の寸法・素材・固定方法

  • 笠木、廻り縁、巾木、見切り材などの意匠部材

  • 階段手すり、ニッチ、テレビ台、ベンチなどの機能造作

  • 空間に合わせた“オーダーメイド家具”や“壁面一体型収納”など

🧱 単なる内装部材ではなく、「建築の一部としてデザインされた機能物」であるのが造作設計の特徴です。


造作設計における重要な設計要素【5つの柱】


✅ 1. 寸法計画|空間と人の関係を読み取る

  • 使用者の体格、動作範囲、隣接家具との関係を考慮

  • 例)キッチンのカウンター高さ → 使用者の肘下高さ −10cm

  • 奥行・高さ・棚の間隔など、使いやすさ=寸法の正確さ

📐 建築寸法の「910モジュール」だけでなく、人体寸法(アーゴノミクス)との両立が必要です。


✅ 2. 材料・仕上げの選定|美観と機能の両立

  • 無垢材/突板/メラミン/ポリ合板/スチール/アクリル等

  • 耐水性、耐熱性、傷つきにくさ、メンテナンス性も考慮

  • 住宅では温もり、商業施設では清掃性・意匠性が求められる

🎨 材料の選定ひとつで、空間の印象がガラッと変わる=デザインの要です。


✅ 3. 納まり設計|異なる素材をどうつなぐか

  • 床と壁、壁と天井、木部とクロス、造作と建具の取り合いを図面で明確に

  • クリアランス(隙間)や伸縮の逃げを考慮する

  • コーナー部分・端部の納め方(見切り材 or 面取り)で仕上がりが変わる

🧩 デザインの美しさは「納まりの美しさ」で決まります。施工者との連携が特に重要です。


✅ 4. 施工性の配慮|現場で“造れる”図面か?

  • 加工のしやすさ、材料の搬入経路、重さ・強度を踏まえて設計

  • 天井・壁の傾きや誤差を見越した調整幅(逃げ寸法)を盛り込む

  • 図面上の寸法が現場で実現可能かを確認

🛠️ 「デザイン先行すぎて施工できない」は、設計ミスではなく設計責任です。


✅ 5. 将来性とメンテナンス性

  • 可動棚や扉の交換部品が後から手に入る設計に

  • 壁内に隠れる金具は点検口・メンテナンスルートの確保が必要

  • 水まわりや荷重のかかる箇所は耐久性・防水性を考慮

🔧 一時の美しさよりも、「10年後の使いやすさ」が設計の真価を問われます。


造作設計でよくある“見落とし”ポイント


⚠️ 建具・サッシとの納まり不整合

  • 例:引き戸の建具枠と造作収納が干渉

  • 縦枠の厚みや建具の開閉範囲を図面上で見落としがち


⚠️ 電気・設備配線との衝突

  • カウンター裏に配線スペースなし

  • 埋め込み照明と木下地の位置が干渉


⚠️ 材料の反り・伸縮を考慮していない

  • 無垢材での造作→湿気で反り、扉が閉まらない

  • 合板でもジョイント部のクリアランス不足

📌「図面では完璧」でも、現実の“木のクセ”や現場環境まで想定する設計力が問われます。


施工者との連携で設計を“実現する”


造作設計は、図面だけで完結しません。現場と連携して初めて形になります。

🔄 設計者と施工者の連携ポイント

  • 着工前に現場採寸・実測による設計再調整

  • 図面に反映されない加工方法・固定方法の相談

  • 現場からのフィードバックを設計に還元するPDCA

👷‍♂️ 現場の職人と「納まりの言語」を共有できる設計者こそ、信頼されます。


造作設計は“空間を形にする最後のひと仕事”


構造体ができあがり、設備も整い、最後に空間を形作るのが造作工事です。
その設計において大切なのは

✅ 人の動きと寸法への配慮
✅ 材料の特性と美観のバランス
✅ 現場で施工できる現実的な納まり
✅ 仕上げのための下地としての正確さ
✅ 長く使えるための耐久設計

図面1枚に空間の使いやすさと美しさを込める
それが、造作設計者の使命であり、職人との信頼関係を築く第一歩でもあります。

 

 

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第11回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

さて今回は、

~確認事項~

ということで、今回は、造作工事における失敗を防ぐための事前確認事項を現場目線で深掘りし、プロの視点からチェックすべきポイントを網羅的に解説していきます!

 

造作工事とは、建築のなかでも「空間の仕上がりを左右する繊細な工事」です。
わずか1mmのずれが目立ってしまったり、材料の納まりが悪ければ、全体の美観や機能性に大きな影響を及ぼします。

だからこそ大切なのが、着工前の“事前確認”の徹底です。


造作工事とは? その役割と特徴


造作工事とは、建築物の構造体ができた後に行われる内装・仕上げ・空間形成のための木工事や取り付け工事全般を指します。

主な造作工事の内容

  • 天井・壁・床の木下地組み(大工工事)

  • 建具枠・巾木・廻縁などの取り付け

  • カウンター・棚・収納などの現場家具製作

  • 間仕切りや化粧パネルの取り付け

  • 石膏ボード貼りと開口部納まりの調整

造作は、仕上げ材の「下地」としての精度が最も問われる工程であり、仕上げ工事との“橋渡し役”でもあります。


造作工事における事前確認事項【10の重要ポイント】


✅ 1. 設計図面・詳細図の読み込みと整合性確認

  • 平面図、断面図、展開図、詳細図をすべて確認

  • 設計変更やVE(バリューエンジニアリング)対応が反映されているか

  • 建具、収納、造作家具など細部の寸法・高さ・納まりが整合しているか

「図面通りに造ったけど収まらない」は事前確認の甘さが原因です。


✅ 2. 他業種との工程・取り合い調整

  • 電気・設備・左官・クロス・塗装との干渉箇所を事前にチェック

  • コンセント・スイッチ・給排水位置の通り・高さ確認

  • 先行配管・配線が造作に支障をきたさないか?

職人同士の連携が甘いと、現場でやり直し=コスト増につながります。


✅ 3. 支給材・注文材の納期と寸法確認

  • 棚板・天板・框材・仕上げパネルなどの注文品・加工品の寸法・色・仕様確認

  • 納品日が造作工期に間に合うか?現場搬入ルートの確保はできているか?

  • 支給材の品番ミス・数量不足・左右逆対応なども事前に要確認

材料がなければ現場は止まります。「納期と数量」は最重要です。


✅ 4. 墨出し・基準ラインの確認

  • 天井高さ・床高さ・芯墨・GL(グランドライン)の確認

  • 壁・建具・間仕切りの芯と下地組みの基準が一致しているか

  • レーザー墨出し器を用いて水平・垂直精度を確保

墨が正しくなければ、すべてがズレる=致命的な施工不良に直結します。


✅ 5. ボード下地・取付位置の検討

  • 石膏ボードの目地位置やサイズ、ビスピッチの確認

  • 壁掛けテレビ・手摺・棚などの荷重がかかる箇所には合板下地が必要

  • コンパネか石膏ボードか、壁厚・断熱材の有無も含めて調整

「仕上げ後に下地が足りなかった」では手直しが困難なケースも多々あります。


✅ 6. 既存建物との取り合い(リフォームの場合)

  • 壁や天井の傾き、床の不陸、既存構造材とのクリアランス

  • 既存壁・建具に新しい造作材がぶつからないか?

  • 違う素材・年代の取り合いをどう納めるか事前に検討

“既存建物との対話”がリフォーム造作では特に重要になります。


✅ 7. 造作後の仕上げ材との連携

  • クロス・塗装・タイルなどの仕上げ厚を想定した見切り調整

  • マスキングや養生方法、仕上げ材の収まりしろ(逃げ)の確認

  • 塗装や左官前提の部材は下地処理までが造作範囲か?

「仕上げ職人が困らない造作」こそが理想の下地です。


✅ 8. 道具・工具・仮設電源の準備

  • 現場内での作業スペース・材料置き場・電源の有無

  • 作業台・スライド丸ノコ・釘打ち機・集塵機の持ち込み可否

  • 騒音時間制限(マンションやテナント)などの現場ルール

段取りが悪いと「作業開始が遅れる=工期遅延」の原因になります。


✅ 9. 施主・設計士との最終確認

  • カウンター高さ、手摺位置、棚の段数、コンセント位置など

  • 現場での実寸確認やモックアップ提示が効果的

  • 施工中に施主から変更指示が出た場合の対応ルールを明確化

「言った・言わない」がクレームの火種になるため、事前記録が大切です。


✅ 10. 現場清掃と周辺養生の計画

  • 作業中の粉塵・切粉の飛散防止(集塵・養生)

  • 床や壁の傷防止のためのブルーシート・養生ボードの事前設置

  • 工事完了後の清掃・検査基準の確認

美しい仕上がりは、「きれいな現場」から生まれます。


造作工事は「段取りと確認」で仕上がりが決まる


造作工事は、建築の最後を彩る「仕上げの職人技」です。

しかし、そこに至るまでには、

✅ 図面の整合性確認
✅ 材料の準備と納期管理
✅ 他業種との取り合い調整
✅ 仕上がりイメージの共有

こうした“段取り”と“事前確認”がすべての基礎になります。

たとえ1mmのずれも許されない世界だからこそ、「造作工事は準備が9割」と言えるのです。

 

 

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