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月別アーカイブ: 2025年6月

第16回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

 

 

造作工事の未来とは?~技術・素材・人材が切り拓く空間づくりの進化~

今回は、造作工事の未来に目を向け、技術革新・材料の進化・人材の変化など、建築内装業界の変わりゆく最前線についてお話しします。


■ 造作工事の“未来予想図”

近年の建築業界では「サステナブル」「デジタル」「職人の高齢化」という3つのキーワードが、造作工事にも大きな変化をもたらしつつあります。


■ 技術面での進化:デジタルとクラフトの融合

① プレカット・プレファブ化の加速

  • 木材やパネルを工場で加工し、現場は組立中心に

  • 加工精度が高く、廃材や施工ミスを大幅に削減

  • 作業時間短縮と人手不足対策に有効

現場での“職人作業”が“技術管理・据付施工”に変わっていく流れです。


② BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用

  • 3D設計で事前に取り合い・納まりを確認

  • 材料発注の自動化・最適化

  • 職人もタブレットで施工内容をその場で確認

造作工事でも「図面を読む」から「データで現場を管理する」時代へと移行しつつあります。


■ 素材の進化:環境・機能・デザインの融合

  • 調湿機能付きの天然壁材

  • 耐火・不燃・抗ウイルス性能を備えたパネル材

  • 軽量・高強度のハニカム構造化粧材

  • SDGs認証を受けた内装仕上げ材

これからの造作工事では「素材を選ぶ力=現場の提案力」がより問われるようになります。


■ 人材の未来:多様性と分業の時代へ

● 若手育成にICTを活用

  • 動画マニュアル・VR研修でスキル取得

  • eラーニングで座学も効率化

  • デジタルネイティブ世代に合わせた教育体系

若手が「早く一人前になれる仕組み」を整える企業が増えています。


● 女性・外国人の登用も拡大中

  • 造作は力仕事よりも“手先の器用さ”や“美的感覚”が重要

  • 作業工程の分業・軽作業化で女性や外国人職人も増加中

多様な働き手が活躍できる現場へ、価値観も構造も変わりつつあります。


■ 造作工事の価値が“空間の品質”を左右する時代へ

機能性・デザイン性・快適性――
それらを総合的に担うのが、まさに「造作工事」です。

これからの時代、住宅やオフィス、商業施設では、

  • “インスタ映え”するような壁面演出

  • 目線や動線に配慮された建具レイアウト

  • 防音性・防臭性・抗菌性といったプラスαの快適性

こうした空間ニーズに応えられる“総合力”が造作職人に求められます。


■ まとめ:“つくる”から“提案する”へ進化するプロの時代

造作工事は、単なる内装の仕上げではありません。
空間の印象・性能・快適性を左右する、建築のラストピース。

これからの時代を生きる造作職人は、技術者であり、提案者であり、そしてデザイナーでもあるのです。

“仕上げ”のプロから、“空間づくりのエンジニア”へ――
その進化が、造作工事の未来を切り拓いていくのです。

次回もお楽しみに!

 

 

 

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第15回造作工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。

 

 

 

造作工事と環境への配慮~“つくる美しさ”の裏にある責任とは~

 

 

今回は、建築現場のなかでも特に「仕上げ」や「見た目」に関わる大切な仕事である造作工事について、その環境への影響と配慮の現場に迫ってみたいと思います。


■ 造作工事とは?

造作工事とは、建物の構造部分が完成した後に行う内装の仕上げ・空間の使い勝手を高めるための施工全般を指します。

代表的な内容は以下のとおり:

  • 壁・天井の下地組み

  • 石膏ボード貼り

  • 建具や枠の取り付け

  • 棚、家具、巾木などの細部造作

  • 各種化粧パネル・仕上げ材の取り付け

いわば、「建築物に命を吹き込む」作業とも言える重要な工程です。


■ 造作工事の“環境への影響”とは?

見た目が整う造作工事ですが、資材の消費や施工時の廃棄物・接着剤の使用など、環境負荷が無視できない要素も多くあります。


① 材料使用による森林資源・資源消費

造作工事では、木材・合板・化粧板・MDF・プラスチックなど多様な材料が使われます。特に木製造作材の多くは**集成材やベニヤ合板(ラワン・シナなど)**で構成されており、伐採された森林資源に依存しています。

また、素材の輸送距離や加工エネルギーもCO₂排出源になります。


② 廃材・端材・梱包材などの“現場ゴミ”

  • カットしたあとの端材

  • 使い切れなかった石膏ボード

  • 養生資材やプラスチックカバー

  • 空になった接着剤容器や釘袋

一現場あたり数百kg〜トン単位での廃棄が出ることもあり、適切な分別・処理・リサイクルがされなければ環境負荷は大きくなります。


③ 接着剤・塗料からのVOC(揮発性有機化合物)

クロス貼りや木部仕上げ、パネル接着には強力な接着剤や化学塗料が使われることが多く、それらの揮発により**室内空気環境の悪化や健康被害のリスク(シックハウス症候群)**も指摘されています。


■ 現場で進む環境配慮の取り組み

● サステナブル建材の採用

  • FSC認証材(持続可能な森林から調達)

  • 再生木材・間伐材の活用

  • 国産材の地産地消によるCO₂削減

設計段階から「サステナブルな造作設計」が採用されるケースも増えており、職人の選定力も求められています。


● 材料ロスの抑制と端材の再利用

  • 現場での正確な採寸と無駄のないカット

  • 端材を収納棚や下地補強材に再利用

  • デジタル図面に基づいた加工前提の材料発注

これにより、廃材を“資源”として再利用する意識が現場で根づきつつあります。


● 低VOC製品・自然系接着剤の使用

  • 水性接着剤の使用

  • シックハウス対応製品(F☆☆☆☆基準)

  • 石油由来成分を含まない自然塗料の導入

作業者の健康にも配慮した取り組みであり、住む人・働く人の両方に優しい選択肢です。


■ まとめ:“美しくつくる”は、“地球にも美しい”であれ

造作工事は、美しい空間を演出する仕事ですが、その材料・方法・工夫ひとつで環境への配慮度が大きく変わります。

職人ひとりひとりが「持続可能な施工とは何か」を意識することが、建築業界の未来と、地球の未来を同時に守る第一歩になるのです。

次回もお楽しみに!

 

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