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皆さんこんにちは!
株式会社小倉工務店、更新担当の中西です。
さて今回は、
~設計~
ということで、造作工事における設計の目的・設計手法・注意点・設計者と施工者の連携ポイントまで、現場と図面の両面から深掘りしてご紹介♪
建築工事における「造作」とは、完成した構造体に対して内装を仕上げるための木工・建具・家具などの工事を指します。そして、その造作部分を設計段階でどう描くかは、空間全体の印象や使い勝手、美しさを大きく左右する非常に重要な要素です。
目次
造作工事における設計とは、空間の使用性や美観を形づくる“細部設計”のことです。
構造体や間取りといった「大きな設計」に対し、造作設計は「暮らしや使い方を形にする設計」です。
建具枠(ドア・障子・引戸など)の詳細設計
カウンター、棚、造作収納の寸法・素材・固定方法
笠木、廻り縁、巾木、見切り材などの意匠部材
階段手すり、ニッチ、テレビ台、ベンチなどの機能造作
空間に合わせた“オーダーメイド家具”や“壁面一体型収納”など
🧱 単なる内装部材ではなく、「建築の一部としてデザインされた機能物」であるのが造作設計の特徴です。
使用者の体格、動作範囲、隣接家具との関係を考慮
例)キッチンのカウンター高さ → 使用者の肘下高さ −10cm
奥行・高さ・棚の間隔など、使いやすさ=寸法の正確さ
📐 建築寸法の「910モジュール」だけでなく、人体寸法(アーゴノミクス)との両立が必要です。
無垢材/突板/メラミン/ポリ合板/スチール/アクリル等
耐水性、耐熱性、傷つきにくさ、メンテナンス性も考慮
住宅では温もり、商業施設では清掃性・意匠性が求められる
🎨 材料の選定ひとつで、空間の印象がガラッと変わる=デザインの要です。
床と壁、壁と天井、木部とクロス、造作と建具の取り合いを図面で明確に
クリアランス(隙間)や伸縮の逃げを考慮する
コーナー部分・端部の納め方(見切り材 or 面取り)で仕上がりが変わる
🧩 デザインの美しさは「納まりの美しさ」で決まります。施工者との連携が特に重要です。
加工のしやすさ、材料の搬入経路、重さ・強度を踏まえて設計
天井・壁の傾きや誤差を見越した調整幅(逃げ寸法)を盛り込む
図面上の寸法が現場で実現可能かを確認
🛠️ 「デザイン先行すぎて施工できない」は、設計ミスではなく設計責任です。
可動棚や扉の交換部品が後から手に入る設計に
壁内に隠れる金具は点検口・メンテナンスルートの確保が必要
水まわりや荷重のかかる箇所は耐久性・防水性を考慮
🔧 一時の美しさよりも、「10年後の使いやすさ」が設計の真価を問われます。
例:引き戸の建具枠と造作収納が干渉
縦枠の厚みや建具の開閉範囲を図面上で見落としがち
カウンター裏に配線スペースなし
埋め込み照明と木下地の位置が干渉
無垢材での造作→湿気で反り、扉が閉まらない
合板でもジョイント部のクリアランス不足
📌「図面では完璧」でも、現実の“木のクセ”や現場環境まで想定する設計力が問われます。
造作設計は、図面だけで完結しません。現場と連携して初めて形になります。
着工前に現場採寸・実測による設計再調整
図面に反映されない加工方法・固定方法の相談
現場からのフィードバックを設計に還元するPDCA
👷♂️ 現場の職人と「納まりの言語」を共有できる設計者こそ、信頼されます。
構造体ができあがり、設備も整い、最後に空間を形作るのが造作工事です。
その設計において大切なのは
✅ 人の動きと寸法への配慮
✅ 材料の特性と美観のバランス
✅ 現場で施工できる現実的な納まり
✅ 仕上げのための下地としての正確さ
✅ 長く使えるための耐久設計
「図面1枚に空間の使いやすさと美しさを込める」
それが、造作設計者の使命であり、職人との信頼関係を築く第一歩でもあります。
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